ラジオ話

一昨日の朝のラジオでこんなインタビューがありました。

お母さんからもらったものは何ですかと街頭インタビュー。
サラリーマンのお父さん方に聞くのですが、
母親からたいていお金もらってるんですね。
鳩山さんほどの莫大なものではないですが、うん十万円とかうん百万円とか。

最後にあるお父さんの声でエピソードが話された。
年齢はたぶん私くらい。
というのも熊本の田舎で子どものころお母さんからある日、
五円玉二枚もらったというのです。
五円とか十円とかを子どもがもらって喜ぶというと
ちょうど今の50代、私くらいではないでしょうか。

田舎の農家、貧しいのです。
それでもクリスマス近しということか、お正月が近いからか、
ある日、農作業していたお母さんから、
これで何かお菓子買いなさいと五円玉二枚もらったのです。
少年は嬉しくてさっそくお店に向かう。
それでもなぜか途中で五円玉落とすのです。
どういうわけか一枚無くしてしまう。
で五円玉一枚になっちゃう。
子どもの世界ってそういうのあります。
せっかくお母さんから二枚もらってうれしかったのに、うれしいで終わらない。
半分になったがっかりと、自分を責めたりと複雑な思いを経験すること。
それでも仕方ないから五円で飴とか駄菓子買えるだけ買って、
それを持ってお母さんの所に行った。
少年は、お母さんこれ食べてと差し出したんですって。
いじらしい。
そしたら、いいよ、お前が食べなって、言った。
たぶんおふくろは、五円無くしたことも知ってたんだと思うと言ってましたが、
いいよ、お前が食べなって言ってくれて、
手元にある飴かお菓子を嬉しくて食べた。
その五円玉二枚が心に残っているという話。

レポーターが言うのですが、
この話をしている時にお父さんはみるみる目に涙を浮かべて街頭で話したんですって。
家族ってね。そういうもので、愛だけが残って本当に人を生かします。
私もラジオ聴きながら目が熱くなってしまった。

その中年男性のお母さんは今、入院しているそうです。
そのお母さんを思う思いが、この話を思い起こさせたんでしょうかね。
なんということはない話ですが、
いい話だなあ。

今日は昨年召されたN兄の帰天一周年の祈り。
ご家族との楽しい会食を終えて帰路
電車からパチリ。

夕景

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