ばんじきゅうす

朝、妻から急須を借りて

「一日神学校」へ向かった。
何に使うかといえば
閉会時に持たれる派遣礼拝で使うため。
しかもその説教で。

使徒言行録のその最終盤で
パウロ一行は難破した。
「太陽も星も見えず、暴風が激しく吹きすさぶ・・・」状態。
もはや打つ手がない。
そこでにわかに紙袋から急須を取り出し
「万事休す(急須)」と言う計算。

果たして、そこそこ受けた。
説教でこんなことするとはだれも思わなかったのでしょう。
私も初めてでした。
ただし、鮮明にさせたかったことは
その万事休すの船の中で、しかしパウロは
「皆さん、元気を出しなさい。わたしは神を信じています。」と言った、
その神信頼であったことは言うまでもありません。

役割を終えてやれやれ後片付けです。
この日は一日中、子どもしんがっこうの校長でしたので
スキットの荷物やら、プリンターやら
両手に大荷物を抱えて研究室のドアを開けようとしました。
その時、左手に持った紙袋のひもの一つが
中指からするりと抜けていきました。
すると「グシャッ」という鈍い音。
あっ、
急須が割れた。
こういうことだったのか、
ほんとうに来てしまった。
「万事休す」。
これがほんとの「万事急須」だ!
「後悔、先に立たず」
「覆水、盆に返らず」
「万事、急須、休す、窮す~」
同時に「急須なにするの?」
と怪訝な顔で私にきいた今朝の妻の顔が思い浮かんだ。