寝付けない夜
このところの朝は
ギリギリの時間に
仕事へ飛び出してゆく長女。
もうちょっと早く起きられない?
という会話から
「最近なかなか寝付けないんだよ」
と長女が言い訳気味に言う。
この春、社会人になって
そろそろ疲れが出るころだからか。
普段の仕事の様子を聞けば
それほど緊張を強いられるようでもないのだが・・・
それでも仕事のことで
いろいろ考え込むのだろうか。
「そういうことはないよ」
と、きっぱり。
お隣の家で気功の指南を受けていますが
それによれば呼吸を整えて
一つの所作をしますと
よく眠れますとうかがった。
寝付く方法を考えてみたら?
楽しいこと考えるんだよ。
お父さんはね、子どものとき・・・
と思い出しつつ。
そう、小学生だった父が
寝付くとき思い浮かべる定番は
毎日自動車ごっこで遊んでいた、よしはる君と
大人になって日本一周に出かけるシーンだった。
私がハンドル握ってワクワク。
隣によしはる君がいてウキウキ。
運転している!
家の前を出発して
くぼ商店の前を順調に走って
楽しいなと思っているうちに
寝てしまった。
「ずーっと運転しないの?」
いや、小学校より向こうは道知らないから
運転できないんだ。
「それもまた、切ないねえ。」
と言われてしまった。
そうか、これは切ないのか。
そう言われれば、
たまーに寝付けないときは
出発するところばかり
何回も思い浮かべながら寝ていた。
んー確かに切ないが
でも出発するところがいちばん楽しいのも
ほんとのこと。
それより、子どもなりに
一生懸命楽しいこと思って
自分を元気づけていたのかな。
そう思うと、よほど切なくなった。